痛みになぜ鍼灸が効くか② 6つのメカニズム!

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こんにちは。鍼灸マッサージ師のいしわたです。

前回の「痛みになぜ鍼灸が効くか①」の記事では、
①身体の中にある鎮痛作用を促す方法」について説明しました。

今回はその続きで「②①以外の身体調整作用」について6つのメカニズムを説明いたします。
その6つのメカニズムを以下の通りです。

    1. 筋肉の反射による筋緊張の緩和作用
    2. 血流を改善する作用
    3. 自律神経の調整作用
    4. 体性自律神経反射を介した内臓調整作用
    5. 角質細胞を介した免疫・内分泌調整作用
    6. 三大神経伝達物質を介した作用

1、筋肉の反射による筋緊張の緩和作用

筋肉が緊張し続けるといわゆるコリや痛みが生じます。この筋肉の緊張によるコリの状態が続くと、筋肉への血流が低下します。そうすると、コリのある筋肉に発痛物質が溜まりやすくなり、痛みを誘発します。痛みが続くとストレスに感じ、交感神経が興奮してしまい、血管が収縮するため、結果的にまたコリができてしまうという悪循環に陥ってしまいます。

そこで、コリのある筋肉の中心やその筋肉が骨に付着する端の部分を鍼で刺激すると神経の反射などにより筋肉が緩み、痛みが改善します。これがコリの強い部分に鍼を行うメカニズムです。

2、血流を改善する作用

痛みがある場所は、血液循環が悪く発痛物質が存在していることが多く、血流をよくしてそれらを洗い流すことが痛みの改善に繋がります。

具体的には、その痛みの場所に鍼灸刺激を行うことで、筋肉内の血管を拡げる反射(軸索反射)が起こります。それにより血管が拡張しフレアと呼ばれる局所的な血流改善が起こります。すると、新しい血液が筋肉内に入り、血液に含まれる酸素やエネルギー物質のおかげで筋肉は緩み痛みが緩和されます。

3、自律神経の調整作用

痛みが慢性化すると、交感神経が興奮した状態が続き、痛みの悪循環になります。そのため、自律神経(交感神経と副交感神経)を調整することが痛みの軽減に繋がります。その中でも自律神経に影響を及ぼす筋肉は、抗重力筋と呼ばれ、交感神経が興奮しているとこれらの筋肉は緊張しています。

そのため、抗重力筋を緩めることができれば、交感神経が抑制され、副交感神経優位となるため、痛みの軽減につながります。これが、全身の筋緊張を緩めバランスを調整するような鍼を行うメカニズムです。

自律神経の詳細については、別の記事にあげて行きますので、そちらをご参照ください。

4、体性自律神経反射を介した内臓調整作用

痛みの慢性化に伴い、自律神経のバランスが乱れると、不定愁訴(原因がはっきりしない何となく体調が悪いような自覚症状)を生じ、それが痛みの悪循環を起こします。

そのため、各内臓の機能を改善することが、自律神経のバランスを整え、痛みの悪循環改善に必要となって来ます。特に各内臓にはそれを支配している自律神経が存在しているため、その支配エリアが理解できれば、同じ支配エリアの部分に鍼灸刺激を加えることにより、体性自律神経反射(体性内臓反射ともいう)を引き起こし、その反射によって内臓が活発になり症状が改善します。

体性自律神経反射についての詳細も別の記事でご説明いたします。

5、角質細胞を介した免疫・内分泌調整作用

皮膚にある角質細胞が刺激されると、NO(一酸化炭素)という物質が放出され、それが脳の視床下部を刺激してβエンドルフィン(鎮痛物質・脳内麻薬とも呼ばれる)を放出させるとともに、脾臓を刺激してNK細胞(ナチュラルキラー細胞)という免疫細胞を活性化することが知られています。

そのため、皮膚への触刺激や擦過刺激は、鎮痛を起こすとともに、免疫細胞を活性化させ、免疫力を向上させます。 これが、鍼を刺さない小児鍼などによる刺激での痛みの抑制のメカニズムです。

6、三大神経伝達物質を介した作用

痛みが慢性化すると気分が落ち込み、不安や恐怖心が芽生え、それらがうつなどを引き起こすことで頑固な痛みの悪循環を形成します。

そこで、全身の鍼刺激により、セロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質を増加させます。特にセロトニンはうつなどの気分や鎮痛と、またノルアドレナリンは情動と、さらにドーパミンは運動や情動と関係があるから、鍼刺激によりこれらの伝達物質が増えれば、痛みに関連した様々な症状が改善するものと考えられています。これが、鍼治療で気分や情動が改善する際のメカニズムです。

7、まとめ

いかがでしたでしょうか?

前回の「①身体の中にある鎮痛作用を促す方法」に引き続き、「②①以外の身体調整作用」について、6つのメカニズムをお伝え致しました。

今回は、鍼灸による西洋医学的なメカニズムをお伝えしましたので、次回以降はツボや経絡など、東洋医学の視点から鍼灸治療の効用についてお伝えできればと考えています。

それでは、また!!

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