こんにちは。いしわた鍼灸院の院長いしわたです。
今回は、10月中旬になり季節の変わり目が影響しているせいか、
「ギックリ腰」でご来院される方が非常に多くなっています。
今回は、そんな「ギックリ腰」でお悩みの2名の方の症例をご報告いたします。
【患者情報】
・Aさん:40代男性 二児の父 内装設計のお仕事
・Bさん:40代女性 既婚 洋服関係のお仕事
【来院理由】
・Aさん:ここ1ヶ月出張で愛知から東京に頻繁に往復していて疲労が溜まっていた。昨日、重たい荷物を右肩に担いで長時間歩き、普段飲めないお酒を仕事の都合で昨晩飲んで就寝。翌朝起床したら腰に激痛が走り、腰を伸ばせない程になってしまった。今までギックリ腰の経験はない。仕事の関係者から「ギックリ腰なら鍼がすごく効くよ」と勧められ、ネットで調べご来院。
・Bさん:先週ご主人とゴルフに行き、帰ってきてソファで横になっていて立ち上がろうとしたら、腰に猛烈な痛みが走り、動けなくなった。今までギックリ腰の経験はなく、特に体調面など問題なかった。ただ、ここ最近スクワットや腹筋を初めたばかりだった。職場の近くでネットで鍼灸院を探していて当院にご来院。
【主訴(最もお辛い症状)】
Aさん:左側の腰の鋭い痛み。不安で動けない状態。
Bさん:右側の腰の動作時の痛み。
【症状】
Aさん:どの姿勢でも痛みと不安で落ち着かない。仕事に支障が出るため早く治したい。
Bさん:先週末の痛みを10とすると7まで痛みは落ちて来ているが、靴下をはく動作や前に屈む姿勢で痛みが強くなる。特に朝食では座って食べると辛いため、立って食べている程。来週ゴルフのコンペがあり、なんとかそこまでには痛みを抑えたい。
【所見】
Aさん:前にかがんだあと、戻す際に力が抜けて膝が崩れる状態。下肢のしびれや違和感はない。とにかく不安が強いせいか、じっとしていられない状態。腰の痛みをより明確にするため、理学テスト(神経などに異常がないか)をしてみたが、下肢の痺れなどはない。ただ、左の腰の奥の腸腰筋や腰方形筋がすごく固くなっていて、そのせいで上半身が右側に傾きくの字に曲がってしまっている(疼痛性側弯)
Bさん:下半身の力が抜けるような痛みではなくなっているが、前にかがんだり、股関節を曲げる動作で痛みが増す状態。特に靴下をはく動作ができず手が足首まで届かない。理学テストをしてみたが、神経の異常や感覚異常は見受けられず、右の仙腸関節(骨盤)の炎症と右の腸腰筋・腰方形筋がAさんと同じく固まっていている状態。
【診断】
Aさん:左の腸腰筋(大腰筋)・腰方形筋の筋痙攣と考える。
Bさん:右の仙腸関節の炎症と腸腰筋(大腰筋)・腰方形筋の筋痙攣の合併と考える。
【治療内容】
Aさん:腰周りの筋痙攣を解消する鍼治療。熱くないお灸。下半身の指圧など。75分の治療。
Bさん:腰回りの筋痙攣を解消する鍼治療。熱くないお灸。下半身の指圧。脊柱起立筋全体が張っているため、背部の筋肉を緩める鍼治療など。
【結果】
Aさん:鍼が初めてと言う事で、一番刺激の少ない細い鍼から打ち始め、本人も「痛くないんですね」と驚いていた。鍼を刺してしばらくそのまま時間をおき、鍼を抜いて軽く動いてもらうと「え!?痛くない!!!え!?」とすごく驚かれ、痛みスケールが10が2に。その後指圧など行ったところ、ほぼ不安も消えていた。
Bさん:鍼灸はよく昔は受けていたが、久々の治療とのこと。鍼を打ってしばらくたってから鍼を抜いて動きをチェック。前屈する際の手の位置が膝までしか伸びなかったのが、足首までいけるようになった。靴下をはく動作も痛みは少しあるものの、なんとか足首に触れられるようにまで変化した。ただ、まだ痛みは10が5くらいとの事で、その後2回の治療でほぼ痛みは消失。
【考察】
今回の二人のケースは「ギックリ腰=急性腰痛」であった。似ている症状だけど、痛みを伴う前の背景は全く異なり、男女の筋肉量なども異なるため、治療も少し異なってくる。Aさんは鍼が初めてだったが、あまり鍼への恐怖心もなく、元々身体を動かすのが得意であったため、気の巡りがよく鍼がすぐに効いた印象。また、慢性的なコリなどはなかったのも早く効果がで出たと考える。Bさんは運動はあまり得意ではない中で、無理なスクワットや腹筋を急に始めた事が筋肉を固くしてしまった事が原因で、元々慢性的な肩こりや背中の張りが根強くあったため、数回の治療を要した。
「現在、気温が下がり始め、夏の疲労と身体の冷えがギックリ腰を起こしやすい時期になっていると思う。風邪などもひきやすい時期であるため、みなさま身体を冷やさないように気をつけてください!」
【人形町・水天宮駅近くの鍼灸院】
はり・きゅう・指圧マッサージ「いしわた鍼灸院」
院長 いしわた
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