目次
患者さま情報
40代女性
ご来院の理由
定期的に通っていたお店の担当者が異動したため、自宅の近くで探していて、たまたま店の前を通りがかり外看板をみてご来院されたとのこと。
主訴(最もお辛い症状)
首から腰にかけて背中全体の痛み
症状について
長年慢性的に首肩コリ、背中の張り、腰痛を抱えている。元々長時間のデスクワークであったが、コロナの影響で在宅勤務が増えてからより一層症状がひどくなったとのこと。
所見(身体検査)
全身の筋緊張は強く、特に背中の起立筋や体幹、臀部周りが非常に張っている。姿勢はとても良いが、逆に動きが少ない姿勢となりすぎていて、柔軟性に欠いている状態。下半身のむくみや冷えもあり、典型的なデスクワークによるコリ体質となっている。
診断内容
ご自身の性格が非常に真面目で、それが姿勢にも表れている。わかりやすくいえば、パソコン作業している際、動かない人形が座っているように固まっている状態といえる。一度椅子に座ると集中して長時間動かないとおっしゃっていただいたのもコリ固まりやすい原因といえる。また、お酒が好きで毎晩かなり強めのアルコールを多飲しているそうで、東洋医学的にも筋と関係の深い肝に影響が及んでいるのではないかと考える。
治療内容
先端恐怖症とのことで、鍼灸ではなく指圧マッサージで対応することになった。90分コースをご希望されたため、横向き、うつ伏せ、仰向けで首から足先まで全身の血流を促していく。特に張りが強い部分や、お辛い患部などに関しては、表層の筋肉をゆるめてから、強めの刺激を与えていく。また、自律神経の乱れのせいか、脊柱際ラインが首から腰までガチガチであるため、重点的に緊張をとっていった。後半になってくると、インナーマッスルの筋肉に刺激がようやく伝わりやすい状態になってくるので、そこを見逃さずに痛みが出すぎないよう指圧して深部の緊張を緩めていった。
結果
今までは女性の施術者にマッサージを受けていたが、やはり力強さが全然違って緩み方もすごくいいとおっしゃっていただいた。ご本人曰く、鍼灸師さんの指圧やマッサージはツボを理解しているせいか、的を得たポイントに刺激をしてもらえるので、気に入っているとのこと。鍼灸が受けられない分、しばらく週1,2回の頻度で通っていきたいとのこと。日頃のストレッチの方法について指導し、有酸素の運動をすすめ、夜のお酒の多飲は控えるよう伝えた。実際、2,3回の施術を行ってからは、すごく辛いというレベルにはならなくなったとおっしゃっていただいた。
考察
今回の患者様は、鍼灸が受けられない方であったため、指圧マッサージで対応した。正直、鍼灸を利用しないと厳しいレベルのコリ体質ではあったが、ご本人もマッサージを受けなれているせいか、反応はよかった。ただ、長時間同じ姿勢を繰り返し続けていくとまたすぐに戻ってしまうため、こまめに立ち上がったり、簡単な肩甲骨ストレッチなどを伝えた。実際、長年積み重ねた仕事時の姿勢の改善に関しては時間を要するため、少しずつ柔軟な身体に変化していけるよう努めていきたい。